60歳以上のシニア世代が活躍する市民劇団が横須賀に誕生する。「共生共創」の発信をテーマにした神奈川県のプロジェクトで、演者と舞台製作者を募り、来年2月と3月に公演を行う。「人生100歳」を生涯現役で過ごすことを掲げる黒岩祐治知事の方針を反映させたものでもあり、長寿社会の生き方を提案していく。
(仮称)横須賀シニア劇団の総合チーフコーディネーターには、神奈川県演劇連盟理事長で劇団河童座を主宰する田浦在住の横田和弘氏が就いた。横須賀・三浦半島エリアを中心に劇団メンバーを募り、半年間の稽古を経て、横須賀と横浜で成果発表を行う。「単年度の活動ではなく、地域に根差した演劇集団になることをめざす」と横田氏。演出家の故蜷川幸雄氏が立ち上げた高齢者による舞台芸術の国際フェスティバル「世界ゴールド祭」への出場も視野に活動を展開していく。
応募資格は、60歳以上の元気な男女/週2回の稽古に参加する覚悟のある人/来年の成果発表に出演できる人
経験不問で参加費として月額5000円。
稽古は8月20日(火)スタートで、横須賀芸術劇場大リハーサル室等で行う。
募集期間は6月17日(月)から7月22日(月)。7月26日(金)・27日(土)に説明会を兼ねたオーディションを横須賀市立青少年会館で開く。時間は両日午後1時開始。
問い合わせはシニア劇団事務局【携帯電話】080・9882・0832
「本気でぶつかる。第二の青春」
--新劇団の狙いは。
「県が掲げる『ともに生きる』『ともに創る』社会を、シニア世代をターゲットに舞台活動を通じて具現化していく。演劇は総合芸術と言われる。舞台に立つ役者だけでなく、照明、大道具や小道具、衣装制作、事務仕事と多くの人が係われる。『誰も一人にさせないまち』をスローガンとする横須賀市の考えとも重なるもので、同市の支援も取り付けた。成果発表の公演を来年2月に横須賀市立青少年会館ホール、3月に県民共済未来ホールで行う」
--経験がなくても参加できるのか。
「経験不問で誰でも歓迎する。ただ、参加条件に『週2回の稽古に参加する覚悟のある人』とした。趣味や習い事ではない、これからの人生の軸となるような活動の場を提供したい。記憶力や体力など若い時代には敵わないことも増えているが、それを補う経験や知恵を持っている。それぞれが人生ドラマも持っている。例えば介護をテーマにした舞台なら、それを経験してきた人と想像だけの人では、演技の深みがまるで違う。人生経験がにじみ出るのだ」
--何を演じるのか。
「既成台本、オリジナル劇、地域性を盛り込んだ内容など、実はまだ決めていない。集まったメンバーの個性を見極めてから決定する考え。5年・10年の活動を視野に、将来的には『世界ゴールド祭』などの大きな舞台を目標にしていく」
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