ヴァイオリニストで国内外で精力的に活動する 礒 絵里子さん 秋谷在住
音の「愉しみ」広げたい
○…大学の先輩後輩で7年前に結成した室内楽の「アンサンブルφ(ファイ)」。”黄金比”を表すユニット名は、第一線で活躍する3人の化学反応が持ち味。美しく上質な演奏で「会場を魅了したい」と話す。
○…年の離れた従姉の影響でヴァイオリンを始めたのは3歳頃。「階段を上れば新たな景色が見える感じ」。特徴ある指導法で、コツコツやっているといつの間にかステップアップしていた。「練習が嫌な時期もあったけれど、やめることはないと思っていた」。高校時代は演奏のアルバイトも。桐朋学園大に進学し、着実にプロへの歩みを進める中、試験やオーディションで「自分の思うように弾けなくなってしまった」。一種のスランプだったが、そこで取り組んだのがイメージトレーニング。前日の夜、ステージに上がるまで自分を想像してポジティブな気持ちを身にまとう―。そんな経験から心も強くした。
○…大学卒業後、当時はあまり留学先に選ぶ人がいなかったベルギーに渡り、ブリュッセル王立音楽院で学んだ。帰国後、ソロ活動で力を入れたのは「アウトリーチ活動」。地域での音楽の活性化や交流を目的に、自らがプログラムを構成するもの。その中で印象に残っている授業がある。子どもたちを前に、筑後川の中州の木の下で演奏した時のこと。「風と一緒に弾いているみたい」。そんなシンプルな感想に、表現の可能性を感じた。
○…ピアニストで音楽プロデューサーの夫と共演するほか、ソロや従妹とのデュオ、室内楽まで独自の存在感を放つ。秋谷で暮らして10年近くになるが、都内や地方で演奏活動を展開する中、横須賀でのステージは今回がほぼ初めて。「市内での演奏の機会、出会いがあれば今後も挑戦したい」。しなやかな感性で音楽の世界を広げていく。
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