横須賀育ちで2002年にノーベル物理学賞を受賞した物理学者の小柴昌俊さんが今月12日夜、都内の病院で亡くなった。94歳だった。
小柴さんは小学生の頃、愛知県から横須賀に移り住んだ。諏訪小学校を卒業し、旧制横須賀中学(32期・現県立横須賀高校)を経て東京大学理学部に進学。一貫して物理学を研究する道を歩み、物質のもとになる素粒子の一つ「ニュートリノ」の観測に成功した。
軍人になる夢を抱いていたという小柴さんが、物理学に目覚めたのは横中時代。1年生の2学期に小児麻痺にかかり、入院中の病床で失意に沈む中、数学担当の教師から『物理学はいかに創られたか』というアインシュタインとインフェルトが書いた本を渡されたことが最初の出会いとなった。
2〜3年生の頃、物理の試験で「ボイル・シャルルの法則を導け」という出題に対して「この法則は実験をやって初めて結果が出るもの。理論だけでは導けるものでない」と答案を白紙で提出。教師から生意気だと注意を受けると、憤然と席を蹴って教室を飛び出したというエピソードもある。
横須賀高校出身で小柴さんの後輩でもある上地克明市長は「横須賀市にゆかりのあるノーベル賞受賞者で唯一の名誉市民として、多くの若人へのご指導をお願いしたかったところ。非常に残念」と哀悼の意を表した。
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