横須賀市は、2月1日から病児保育支援システム「あずかるこちゃん」の運用を開始する。WebサイトやLINEから病児保育施設の検索・予約ができるサービスで、空き状況がリアルタイムで分かり、予約も24時間体制で対応。市では「利便性を高めて、利用者に寄り添った保育環境の構築に役立てたい」としている。
病児・病後児の保育施設は、病気中や病気の回復期で集団保育が困難な子ども(生後3カ月〜小学校6年生)を一時預かりする場所。仕事などの事情で保護者が家庭で看ることができない場合に対応し、市内では、市立うわまち病院内に設置されている。
年間では延べ200人ほどの利用があるが、予約や空き状況の確認は電話のみで、書類申請などの手続きも複雑。キャンセルは利用当日の午前7時30分から8時までの受付となっており「朝、急いでいる利用者のニーズに対応できていない」「キャンセル待ちへの対応に時間差があり、利用の効率が悪い」などの声も少なくなく、実際の稼働率は20%程度にとどまっている。
こうした課題を解消するため、市が自治体として初めて導入するのはConnected Industries株式会社(東京都)が開発した病児保育支援システム。スマートフォンやパソコンから施設の空き状況の確認や予約・キャンセルの申し込みができるものでで、これまで手書きで用意していた利用手続き書類もオンラインで記入することができる。
産学官で検証も
導入に際して、市では東京大学大学院医学系研究科公衆衛生学教室と連携。利用状況や利用者へのアンケートなどを提供し、病児保育のICT化による利便性向上について共同で研究を行うほか、自治体における子育て世代へのサービス提供の効率化ついても分析する。
開始にあたり動画会見を行った上地克明市長は「病児・病後児施設の稼働率の低さは全国的な課題。産学官の共同研究で得られた知見をもとに、利用者に寄り添った保育環境の構築に取り組みたい」と話した。同社代表も「病児保育は利用のハードルが高いのが現状。保護者・施設スタッフ、自治体の三方に利益をもたらす仕組みになってほしい」と活用への期待を述べた。
市では今後、市立うわまち病院のほか、(仮称)中央こども園を含めて計3カ所で病児・病後児保育施設を展開していく考えだ。
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