先月、山崎小と大津中で開かれた「学校訪問ライブ」。ステージに上がったのは、両校出身のジャズクラリネット奏者、宮脇惇さんだ。横須賀芸術文化財団によるアーティスト派遣の一環で、今年度のテーマは「ジャズ」。宮脇さんは、2018年に若手ジャズミュージシャンの登竜門「ちぐさ賞」でグランプリを獲得した注目のプレイヤー。クラリネットとベース・ギターのジャズバンド「WOOD FORD」として登場し、スタンダードナンバーのほかJ-POPにジャズアレンジを交えて会場を盛り上げた。山崎小ではリズムに乗り自然と手拍子が沸き、吹奏楽部生徒とセッションした大津中では「アドリブやアレンジによる曲の変化が楽しかった」との感想も。宮脇さんは「子どもがジャズを楽しむ良いきっかけになったと思う」と語る。
映画「ベニイグッドマン物語」を見て、小学3年生からクラリネットを始めた宮脇さん。初めて生演奏を聞いたのは、横浜のジャズバーだった。横須賀中央駅前の楽器を持った銅像など「なんとなく、横須賀はジャズの街なんだ…と意識はしていたが、大学生になってドブ板の『Kent倶楽部』に行くようになった頃から、綿々とジャズが根付いている地域だと感じるようになった」と語る。「かつて、EMクラブに日本ジャズのレジェンドが来ていた」と耳にすることはあったが、宮脇さんは20代。街なかでジャズが鳴り響く雰囲気を知る世代ではない。
今回の学校訪問は「若い世代にジャズを知ってほしい」という狙いがある。それを伝えるのも地元の若手プレイヤー。「小学生から高校生まで学生によるビッグバンドを作ってみたい。若い人がジャズに触れる機会を増やしたい」「地元ゆかりのミュージシャンで野外フェスもいいな」と語る宮脇さん。「横須賀の土地柄、ベースの音楽隊との演奏など、他の地域にはない音楽文化が発信できる土壌はある」と夢を抱く。次の世代への「バトン」は確実につながっている。
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