横須賀市議会は「(仮称)横須賀市子どもの権利を守る条例」の制定に向けて、市民からの意見聴取「パブリックコメント」を実施している。同条例は国が1994年に批准した「児童の権利に関する条約」の理念をもとに、子どもの権利を明確化するもので、虐待や体罰、いじめの防止や障害がある子どもへの支援なども盛り込んでいる。
いじめ・虐待の防止も条文に
市議会では、市政での課題解決のため、政策検討会議を立ち上げ、議員立案の条例制定を進めている。昨年12月には「犯罪被害者等基本条例」を策定した(今年4月施行)。
今回、市民から意見聴取を行う「子どもの権利を守る条例」は、いじめや虐待といった問題やひとり親家庭への支援、子どもの貧困など、社会環境が複雑化する中で、保護者や子どもにかかわる立場の大人を含めた社会全体で「子どもの権利」を理解し、それを保障するためのもの。国内では川崎市など約50の自治体が同様の条例を制定している。
市議会では一昨年12月に検討協議会を設置し、有識者の意見聴取や他都市の取り組みの効果や課題の検証、児童養護施設の視察などを行ってきた。
子どもの多様性尊重
条例の具体的な内容は、「子どもが自ら守り、守られ、育まれる権利」「個性を尊重される権利」やいじめ、虐待の防止、障害のある子どもの権利や支援のほか、それらを保障するための学校や事業者の責務を定めている。
制定に先立ち、市議会では昨年11月に市民参加の懇談会を実施。市内の虐待の現状と課題を専門家から聞いたほか、市議を交えて意見聴取を行った。参加者からは「教育・福祉・医療などの連携が不可欠」「スポーツにおける児童虐待への対策を」「『権利』があることを子ども自身が知る機会を設けてほしい」「子ども間のSNS対策も必要」「当事者の声も取り入れてほしい」など多様な声があった。
パブリックコメントは1月24日(月)まで募集しており、条例素案は市議会ホームページで公開。詳細は議会局議事課【電話】046・822・9394
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