横須賀市は、2022年度から公立の全中学校に学校司書を配置し、読書を楽しむ場づくりを進めている。中学生の読書活動を活発化させることが狙い。本を借りたり、読んだりという利用目的だけでなく、「調べ学習」など学びをサポートするための情報収集拠点としての機能も高めていく。各校が学校図書館の進化に向けて動き出している。
横須賀市が読書活動の推進に取り組む背景に、市内の中学生の読書状況がある。19年度の調査で本の月間読書冊数は2・3冊。全国の4・7冊を大きく下回る。1カ月の間に読んだ本がゼロという生徒も全体の42%(20年度は34・7%)と高く、「本離れ」が心配されている。これを食い止めるための方策の一つが図書館の積極活用だ。キーマンとなる学校司書が生徒の興味を引くように展示を工夫して利用したくなる環境づくりを進めているほか、教科担任と連携して図書館で授業を行うなど、本との接触機会を意識的に増やしている。
岩戸中で行われた2年生の英語の授業。各自が図書館にある本の中から興味を持った1冊を選び、あらすじと感想をまとめていく。これを和英辞典を引きながら英訳して発表する。生徒は自分の英語表現をパソコンの翻訳サービスと照らし合わせて確認するなどICTも活用。現代の授業スタイルが実践されていた。美術部に所属する女子生徒が選んだ本のタイトルは『13歳からのアート思考』。美術作品の鑑賞法などを説明する本だと思い読み始めたが、中身はまるで違った。アーティストが作品を生み出す過程の思考法について書かれたもので、思いのほか興味深い内容だったという。
「新しい知識や価値観との出会いこそが読書の醍醐味」と同校学校司書の山田ひろみさん。ロシアの軍事侵攻に合わせて関連本のコーナーを設置したり、性について書かれた本を人目を避けた場所に置いたりするなど、図書館に足を向けてもらうための工夫を凝らしている。
インターネットを利用すれば欲しい情報をすぐに入手できる時代だが、読書を通じて知識を得ることで自分の考えを論理的に表現する能力が磨かれる。本から学べることは少なくない。
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