公郷町にある県立横須賀工業高校では、約1万2千平方メートルに及ぶ校庭の全面芝生化が進み、県内の”芝生化先進校”として注目を集めている。芝生の植え付けや芝刈りなどを行うのは、「グリーンボランティア部」の部員と担当教員で、今年2月には校内外での活発な取り組みが評価され、県教育委員会から表彰を受けた。同部は今後も維持管理を続けながら、「蓄積したノウハウで地域の緑化も手伝えていけたら」と意欲を見せている。
神奈川県が2009年度から推進する県立学校の校庭芝生化。同校で本格的に始まったのは18年度からで、前任の磯子工業高校で芝生化に取り組んでいた石井力教諭の赴任がきっかけだった。当時の校庭は雑草が生え、テニスコートは草むら状態。人手を確保しようとボランティア同好会を立ち上げ、予算もほとんどないなか2千平方メートルまで広げることに成功した。
その後も徐々に緑地面積を拡大。育苗から植え付け、施肥や芝刈りまで一貫して行う地道な取り組みが評価され、部活動への昇格や県から活動予算が当てられる芝生化指定校に認定。さらには芝や緑化の専門家が集う「日本芝草学会」のシンポジウムで、先進事例として紹介されたこともあったという。
昨年10月には、野球グラウンドの内野部分を除いた約1万2千平方メートルを達成。定植した苗のポット数は、11万個にも上る。
校内外で活躍
芝生化には砂塵の飛散防止や怪我防止のほか、ぬかるみにくくなったりと「利点が多い」と石井教諭。コロナ禍で3年ぶりに行われた6月の体育祭は、全面芝生化したことで地表の温度が下がり「暑さによる体調不良を訴える生徒がほとんどいなかった」と、部員の山本亮哉さん(3年)と川原涼弥さん(1年)は胸を張る。また、硬式野球部からも好評で、もともと野球が好きだったという部長の荒牧翼さん(3年)は「野球に携われて嬉しい」と笑顔を見せた。
活動は校内にとどまらず、地元の要望を受けて近隣の公郷小学校やつくし公園などの維持管理も担当。「今後は芝生教室などを企画したり、地域に協力していけたら」と展望を話した。
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