大津町の有限会社柳井製作所は、機械加工に特化したビジネスマッチングサイト「カコナビ」を開発した。依頼元と発注元が直接取引を行うことでコスト削減や販路開拓に繋げ、後継者問題など経営課題の解決にも役立ててもらう。「日本のものづくりを支える町工場の魅力発信にもなればうれしい」と、同社代表取締役の柳井圭一さんは話している。
カコナビを開発した柳井製作所は、おもに船舶などの機械部品の製作・溶接を専門に行っている町工場。柳井さんがマッチングサイトの構想に思い至ったのは、リーマン・ショック後の2010年のことだった。世界的金融危機の影響は、日本の町工場にも打撃を与え、「メーカーからの発注が減少し、市内の同業者も経営難や後継者不足などを理由に次々と廃業していった」と話す。
そこで、売上アップや販路拡大のために目をつけたのが、マッチングサイトだった。近年では様々な業種で取り入れられているが、機械加工に特化した専用サイトはこれまでにはなかったという。
同社も含め、小さな町工場は自社ホームページを持っていないことが多く、社長自らが営業活動を行っているのが大多数。「ネットを介して企業や製品紹介をすることでPRの機会を増やし、発注するメーカー側は細かいリクエストや納期に対応できる町工場を全国から簡単に探すことができる」。コロナ禍で対面の商談からオンラインに移行しつつあり、”デジタル化”の有効性も高いと見込む。
また、仲介業者を通さず直接取引できるため、低コスト・高クオリティの製品の提供が可能になることも強みの1つだ。
会員増強めざす
サイトは会員登録制で、利用者は現在地(所在地)や「機械加工」「金属加工」「溶接」といった分野別に企業検索が可能。「急な納品依頼や人手が足りない時、近くの町工場同士で協力や相談もできる。同業者や職人の『あったらいいな』を形にした」
現在は県内外の9社が登録。「これから会員を増やしていきたい。そして、製造業の発展に寄与し、日本中の名工場の衰退を食い止める助けになれば」と、柳井さんは展望を語った。
会員登録などは「カコナビ」で検索、問い合わせは同社【メール】info@kakonavi.jpへ。
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