三浦半島最高峰(242m)で知られる大楠山。その山頂にある休憩所「大楠山ビューハウス」が、臨時休業している。同山唯一の施設として売店や展望塔などを有し、50年以上前から多くの登山客に親しまれてきたが、管理人の不在に伴って今年2月から利用ができなくなっている。営業再開時期は未定。
房総半島や伊豆半島、富士山、箱根連山などを眺望できる大楠山は、東西に伸びる丘陵が風致地区に指定され、衣笠、塚山・阿部倉、大楠芦名口、前田橋、湘南国際村の5つのハイキングコースを有している。低山のため登山初心者や子どもでも山登りが楽しめ、1992年には上皇上皇后両陛下(当時は天皇皇后陛下)と長女の清子さんがお忍びで訪問したという逸話も残っている。
訪れるのはハイカーのみならず、市内の小学校の遠足先や環境学習の場としても広く活用されている。入込観光客数調査(神奈川県統計)によると、2022年は1万4000人が訪れ、東日本大震災後からコロナ禍以前は年間3〜4万人で推移していた。
登山客の憩いの場
豊かな自然とともに登山客に親しまれてきたのが、山頂にある休憩所「大楠山ビューハウス」。軽食や飲料を提供する売店と観光案内、360度を見渡す大パノラマの展望塔やトイレを備えた大楠山にある唯一の施設で、歩き疲れたハイカーたちの憩いの場となっていた。売店のほか、併設される展望塔の立ち入りも現在禁止されている。
同地は横須賀市文化スポーツ観光部観光課が所管。施設は建設から少なくとも50年以上が経過しているとみられ、老朽化が進んでいることから、市は今年度予算にトイレの改修修繕費として約380万円を計上した。しかし、今年2月以降、管理人の不在に伴って休業しているため、工事も当面中止に。代替として、休憩所から約200m下った大楠平の公衆トイレを利用するよう呼び掛けている。
また、大楠山では、ハイキングコースで大雨や強風、枯死による倒木が断続的に発生、または発生の可能性が高い地点が複数存在しているため、市は注意喚起や安全対策もあわせて進めている。
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