タイ発祥の格闘技、ムエタイの世界大会のひとつ「THAI MAGUMA MUAYTHAI」が8月30日(現地時間)タイ・パタヤで開催され、大矢部在住の藤原乃愛(のあ)選手(18)が48kg級で優勝した。今大会で掴んだ自信を胸に世界でのさらなる躍動を誓う。
キックボクシングの原型となり、タイでは国技に指定されているムエタイ。藤原選手は「聖地」での出場が決定した際は「やっと念願が叶った」と喜びを爆発させた。
試合当日は直前まで45kg級での出場予定だったが、対戦相手が減量に失敗したため急遽48kg級での挑戦となった。振り出しから不利な状況に追い込まれたが、全5ラウンドで1度もポイントを取られることなく相手を圧倒。特に後半では攻めの姿勢を徹底し、隙のない試合運びを見せた。
「立ち技最強」で王者目指す
格闘技との出会いは3歳の時。父が主宰する道場で空手を始め、横須賀大津高校在学中の昨年にはキックボクシング・ミネルヴァピン級で日本チャンピオンに輝いた実績を持つが、現在はムエタイに専念。「空手やキックボクシングを差し置いて『立ち技最強格闘技』といわれるムエタイで世界の頂点に立ちたい」と意気込む。
肘打ちや膝蹴りが可能なため、大けがの恐れもある競技だが「攻撃の制限がないからこそ、細かなテクニックも必要なため奥が深い」と魅力を語る。得意技はキックボクシング仕込みの前蹴り。一日千本の打ち込みを行うなどストイックな姿勢で練習に取り組む。
周囲の支えで掴んだ勝利
自宅から都内の赤羽にある大学まで毎日通い、健康とスポーツ科学に関する学びを深めながら、教職課程も履修中。授業後には八王子にあるジム「尚武会」でトレーニングに励み、帰宅は深夜になることも多いという。
本人にとっても過酷なスケジュールだが、その裏には送迎や食事管理に協力してくれる家族、遅くまで練習に付き合ってくれる指導者らの存在がある。「感謝してもしきれない。勝つことが恩返しになる」と思いを語り、「一日でも早く真の世界チャンピオンになりたい」と前を見据える。
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