俳優の石丸謙二郎さんが墨の濃淡で描いた「墨絵」の個展を東逸見町の「おもしろかん按針・谷戸のギャラリ―」で開催する。開館日は7月中の土曜、日曜で正午から午後6時。入場無料。
石丸さんの墨絵は、アウトドア用品メーカーが販売する野外用毛筆セット「野筆」を用いて制作されたもの。光、影、湯気などといった繊細な描写を、墨を薄く重ね塗っていくことで表現する。「都心に近く素晴らしい自然環境を残している」と語る三浦半島をはじめ、ドラマ・映画ロケやプライベートで訪れた世界各地の山や海などの風景を作品の題材にしている。
自由な発想で桜表現
展示作品の中で特に目を引くのが、高山植物であるエゾノツガザクラの群落を描いたもの。昨夏、北海道・大雪山の麓を訪れた際に目の当りにした景色がモチーフとなっており、墨絵ながら桜色の着色が施されているのが特徴だ。「ピンクとも赤紫ともいえるこの花の絶妙な色の美しさを伝えたい」という想いから色鉛筆を塗り重ね、雄大な山岳風景と残雪を背景に咲き誇るつぼ型の花を表現した。
「自分が必要だと感じたら墨絵であっても色も付ける。格式張らず自由に描くのが楽しい」と作品制作の魅力を語った。
「文章の挿絵として」
このほど画文集「野筆を片手に」を上梓した石丸さん。「文章と一緒に作品を観てもらうことで、絵だけでは説明しきれない自然の素晴らしさを伝えたかった」と話す。同様の意図から、今回の個展では展示品に解説文を添えており、「僕が現地で何を感じたのか、文章の挿絵として作品を捉えると面白いのでは」と目を細めた。
20日(土)には同書や作品のエピソードを語る講演・サイン会を開催。午後1時から2時まで。要予約、定員先着50人。申し込みは【URL】https://coubic.com/omoshirokan/1062227
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