三浦半島 草花歳時記 第58回 「ドクダミ」には八重の花も咲く 文・写真 金子昇
道端や庭隅などに、4枚の白い花弁状をつけた「ドクダミ」の花が咲いています。名の由来は「毒痛み」または「毒をためる」から来ています。全草悪臭が強く、ほとんどの人は触れるのを避けているようですが、ヨーロッパではハーブとして人気があり、観賞用にも使われています。また花が十字形をしているので、教会に植えられています。
この白い4枚の花弁状は花びらではなく、葉が変化したもの(ちょうど水芭蕉と同じで「総苞片」と呼ばれる)です。花には花弁や萼片はなく、本来の花は中央にある黄緑色の円錐状の穂(花穂)で、30〜40個の小さな花の集まり(花序)です。1個の小花の根元にはそれぞれ緑色の小葉(苞葉という)がついています。この小葉がたまに大きくなり白色化すると、全体が八重状になって、「八重のドクダミ」が誕生します。
また、4枚の総苞片が5枚または6枚になることもあります。
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