横須賀の「若松マーケット」内の若松新生商業組合の組合長を務める 松永 慶子さん 横須賀市公郷町在住 62歳
マーケットの扉を開ける
○…横須賀中央駅すぐ、迷路のような小路に100以上の店舗がひしめく「若松マーケット」。提灯が灯る通りは夜になると飲み屋街然とした雰囲気を醸し出す。このほど開催したビアガーデン企画には1日で2000人以上が来街。古き良き昭和レトロの風情も残しつつ、幅広い客層を取り込む新たな仕掛けも展開していく。
○…幼い頃、若松町に暮らしており、「当時はアベック喫茶やジャズ喫茶が多く並んでいた」とマーケットの昔を懐かしむ。9年前、離婚直後に新たな職を探していた折、「ケイちゃんなら絶対人が集まるよ」といった周囲の勧めもあり、同町内にカフェバーを開業した。当初は客足が伸びず、町内では先駆けとなった料金表を店先に掲示。新規客の不安を取り除く工夫で、その後は徐々に売上が安定するようになった。
○…昨年11月に組合長に就任。目指すのは「誰もに開かれたマーケット」。「少し怖い」「入りづらい」といった先入観を払しょくするためイベントの改革に着手した。毎年恒例の「横須賀ブラジャー祭り」では歩行者天国を実施。外飲み出来る飲食スペースを設置したほか、店のドアも開放し、誰もが入りやすい街をアピールした。そうした努力もあり、組合にはこの半年で20店舗以上が加入。店同士の横のつながりも強化されてきた。
○…「人がすれ違えないほど混雑した」と振り返る今回のビアガーデン。常連や市内外からの若い世代、家族連れなども訪れ手応えは十分。普段から2軒、3軒と飲み歩く来街者が多いことから「街を盛り上げることが各店の利益につながる」と街全体の将来を見据える。古きを尊重しつつ変化を恐れない、不易流行の挑戦心がモットーだ。
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