国の文化審議会は7月19日、横須賀市西浦賀にある「穴澤家住宅座敷蔵」を含む7件の建造物を新たに登録有形文化財にするよう文部科学相に答申した。登録されると、市内では13件目の登録有形文化財になる。
同座敷蔵は浦賀湾西岸に位置し、1916(大正5)年に建造。木骨石造2階建ての1階は蔵、2階は書院造の座敷空間として応接などに利用された。建築面積は77平方メートル。
穴澤家は旧会津藩の武士で明治時代になってから浦賀に転居。米や味噌、醤油などを扱う廻船問屋を営んだ。江戸や明治期に繁栄した有力商人の一角で、建物は明治期の商家・町屋建築の特徴を色濃く残し、趣向を凝らした建築文化の一端を今に伝えている。
かつては主屋も存在したが、1923(大正12)年の関東大震災で倒壊。現在は奥座敷だった建物だけになっており、凝灰岩で造られた主要構造部の外壁と内部の木軸組構造は建設当初の状態が残る。座敷のある蔵建築としては浦賀で唯一といい、歴史的景観に寄与していることなどが評価の対象になった。
建物所有者によると、現在は一般公開していないが、来年をめどに定期的な公開を検討しているという。
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