三浦半島 草花歳時記 第60回 1000以上の別名を持つ「ヒガンバナ」 文・写真 金子昇
今年も「ヒガンバナ」の開花シーズンを迎えました。
ヒガンバナは古い時代に中国から入ってきたといわれています。染色体数が3倍体のため、種子ができず球根で増やすクローンで、全国的に広がりました。そのため基本的には、9月の彼岸頃全国一斉に開花するようになりました。ただ、気候や風土の違いにより多少の差はあります。
ヒガンバナは、展葉時と開花時との差が約半年あるため、同時に見ることは殆どありません。別名「マンジュシャゲ」(曼珠沙華)といい、古代インド語「マンジューシャカ」(天上の花、赤い花の意)からつけられました。その他ハミズハナミズ(花は葉を見ず、葉は花を見ず)、幽霊花、死人花、火事花、キツネの松明、カマワレバナ、イッポンカッポン等1000以上の別名を持つ最も多い植物です。
最近「白花ヒガンバナ」がよく見られるようになりました。この種は中国原産の「シナヒガンバナ」と「ショウキズイセン」との雑種で、花被(花弁と萼片)の反りがヒガンバナよりやや少ないようです。
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