台風や大雨などで土砂災害が発生した際、重機を運用して復旧活動にあたる「土砂災害機動部隊」(LTF)が11月10日、横須賀市消防団(宇内正城団長)内に発足した。2023年度に発足した市消防局LTFに続いて2隊目の配備で、重機を扱う消防団の専門部隊は県下でも珍しい。東西市域に部隊が配備されることになり、活断層の上に立地する横須賀エリアの災害復旧体制の強化に期待が寄せられる。
同日、重機や活動資機材提供を軸とする協定を市と宇内建設(株)(長坂)が締結。市消防総合訓練センター(長瀬)で発足式が行われ、隊員らが活動への志を共有した。
消防団LTFは重機を扱う資格を有する団員30人で構成。油圧ショベルを搭載した「バックホウ」や大量の土砂をすくい上げることができる「ホイールローダー」などを配備し、同社の資材置き場がある芦名を拠点に月1回程度の訓練を行っていくという。
LTFの発足は、同社代表取締役の宇内団長が21年3月に同社としてバックホウを市消防局に寄贈したのがきっかけ。23年3月に同消防局が重機搬送車2台を導入して23年度に市消防局LTFが発足し、今年1月の能登半島地震では除雪作業などに従事した。
かねて東西市域それぞれに重機部隊の必要性を感じていたという宇内団長。東部には重機を配備した同センターがあるが、活断層地震で東西が分断された場合を念頭に、西部の重機隊創設を模索していたという。
この日の協定式で、宇内団長は20年に逗子市のマンション敷地の斜面崩落で女子高生が巻き込まれて死亡した事故に触れ「建設業、消防団として何かできることはないかと考えたのが大きなきっかけだった」と回顧。「最前線で活動する組織に重機があれば助かる命があるかもしれないという思いでゼロから準備を重ねた」と万感の思いを明かした。
協定を受け、上地克明市長は「LTFが東西に配備されることでより一層の土砂災害対応力の強化になる。心からの感謝を申し上げる」と謝辞を述べた。
この日は救助隊の精鋭から成る中央消防署高度救助隊「スペリオルレスキュー」(SR)の発足式も行われ、新たな部隊章が授与された。
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