小網代湾で昨年から実証実験が行われていたカキの養殖事業が本格始動した。11月20日に稚貝1万5千個を海中に沈める作業を実施。来年5月から6月にみうら漁協へ出荷される。
養殖事業を行うのは、みうら漁業協同組合と三浦市、油壷観光企業組合の3者から成る「みうら小網代オイスター共同体」。同湾の海上に浮かべたいかだに、徳島県産マガキの稚貝300個をいれた籠を50個吊るして半年間育てていく。
稚貝の大きさは約2cm。メンバーの出口浩さんは最終的なサイズを5〜6cmほどとしており、「小さいサイズで身がぷっくりと詰まった、濃い味を楽しめる個体が理想」と話す。
海洋教育に活用
同事業は海洋教育の一環として、「日本さかな専門学校」(三崎)と連携。生徒による漁業体験も実施する。
籠内でカキが1点に集まるほか、網に海草などが詰まると栄養が十分に行き渡らないため、10日に一度籠の掃除と稚貝を均等に配置する作業が必要となる。この作業の一部を同校の生徒が手伝う。
閑散期の収入源
漁の閑散期となる冬場はワカメ養殖を生業としていた同湾の漁業。近年はアイゴなどの食害による収穫量減少に悩まされていた。一方、真珠を育てるためのアコヤガイ養殖は好調なため、県の協力のもとカキ養殖の試験を実施。500個の個体が順調に育ち、貝毒検査で無毒が確認されたため、新たな収入源確保のため事業を本格化した。
単独で事業化するには費用面での懸念があったが、今年度県が「かながわ海業モデル創出事業」として採択。事業費として約600万円が交付された。
カキの餌となる動物性プランクトンが豊富とされる小網代湾。出口さんは「地元の新名物として定着させたい」と力を込める。
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