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学校法人 神奈川歯科大学 「大学改革」そして継続
教育機関の顔を持ちながら、三浦半島の歯科医療の中核を担っている神奈川歯科大学。平成28年度には国際的な口腔歯科医療機関に相応しい新病院の開設計画もある。現状の方針や未来展望を3人に聞いた。
地域活性 果たす役割がある
大学の顔となって5年。バトンを受け継いだかじ取り役は、時代と歩むべき方向を見定めながら、着実に結果を出してきた。昨年は構内の一角に「神奈川歯科大学資料館」を開館。医学資料として貴重な人体標本約220点をはじめとする展示は、ひとつの集大成ともいえる事業となった。
創立104年、東京から横須賀に拠点を移して今年は50年となる。「これだけの時間を共に過ごした街と大学は一心同体。地域密着の考え抜きには物事を進められない」と話す。三浦半島は少子高齢、人口減少、経済低迷にあえいでいる。そうした中で問題解消の切り札は、教育と医療の分野にあると信じて疑わない。一つの具体策が附属病院の移転計画だ。中央エリアに用地を求め、教育機能と歯科診療の専門外来をより充実させた新病院を建設する。「これが人を呼び込むための装置になれたらいい」。留学生の受け入れも積極姿勢だ。今年は新入生の約30%を韓国や台湾から迎え入れ、グローバル社会形成に貢献する。
日本では珍しい南アメリカ原産のジャカランダの樹が構内にあり、自身もお気に入り。6月から7月には、フェルメールブルーと呼ばれる藍色の釣鐘形をした見事な花を咲かせる。これを多くの人に鑑賞してもらおうと、今年は「ジャカランダ祭り」を計画している。
「教育の質」の向上が命題
歯学部、短期大学部、大学院を統括する神奈川歯科大学の学長にこの春就任した。前学長の佐藤貞雄氏が推し進めた大学改革を受け継ぎ、さらに加速させたいと意気込む。柱とするのは「教育の質的向上」だ。全国の大学では大衆化が招いた学力低下が社会問題化している。こうした中で、神歯大では医療人をめざす人材に相応しい一定レベル以上の歯科医学的知識と歯科医療技術、論理的思考力の習得を必須とする大幅なカリキュラムの見直しに昨年から本腰を入れて取り組んだ。改革の当事者の一人として、教授陣とスタッフには意識の変容を繰り返し説いて回った。その成果は1年後にさっそく現れた。臨床実習を控えた学生を対象にした全国の歯科大学共通の共用試験で平均を5ポイント上回る結果となった。
ある大学から転入してきた学生に「学校の雰囲気はどうだ」と聞いてみたことがある。返ってきたのは「学生の向学心と教授の熱がまるで違う」とのうれしい言葉。手ごたえを実感した。今後は大学での成功ひな形を短大のカリキュラムにも落とし込むことを想定。大学全体に良い影響を波及させたいという。
改革は緒に就いたばかりだが、「成果の積み重ねが知名度を上げ、魅力を高めることにつながるだろう」と自信を見せる。
同大の卒業生(11回生)。社会歯科学が専門。
新病院に大きな可能性と期待
歯科大病院に通院しているのは、重い症状や高度な治療を必要としている患者ばかりでない。もちろんそうしたニーズに応えることは大きな役割のひとつだが、街中の歯科医院と同じく小さな虫歯の治療も日常的に行っているという。
では一般の開業医との違いは何か。それは専門性の高さにほかならない。高齢化の進展で歯科を取り巻く状況も疾病構造も大きく変化している。「全身の健康と口腔が密接な関係にあることがわかってきたこともあり、歯科治療は今後ますます複雑化、高度化していく」
たとえば歯周病患者は糖尿病が悪化しやすいという最新の研究データがあり、歯周疾患をコントロールすることで糖尿病の症状を抑えることができる。心筋梗塞や狭心症なども歯周病の原因菌が血液の流れに乗って血管を詰まらせて起こることがある。米国では心臓手術の前に歯の治療を行うことが常識となっている。「歯科医師とほかの診療科の医師との”病病連携”が重要視されるだろう」
平成28年に開設予定の新附属病院では、そうした先端医療の研究と臨床を行う拠点化をめざす。専門分野の医療技術に長けた医師を数多く招へいするとともに、地域の医療機関との連携の可能性も探っている。「実現すれば三浦半島の医療水準は飛躍的に向上する」
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