横須賀市は新型コロナの感染防止と検査体制の充実を図るための補正予算を計上した。横須賀共済病院(米が浜通/長堀薫病院長)=写真=が新たに開設するPCRセンター運営経費の補助のほか、市内の診療所への抗原検査キットの配布など、新型コロナとインフルエンザの同時流行に備え、迅速な相談・検査の体制を強化していく。
市内での累計感染者は353人で、死亡者は14人(11月10日現在)。市は毎日、ホームページなどで感染者数を公表しており、0人の日はあるものの、連日数人で推移している。先月には、介護施設や会食の場でクラスターと言われる集団感染も発生している。市では冬を迎えて発熱や頭痛など新型コロナとインフルエンザの初期症状の判別がつきにくい患者が増えることを懸念しており、感染拡大防止と同時流行に備え、さらなる検査体制の充実に乗り出した。
今月9日の市議会臨時議会に補正予算案を提出、即日審査で可決された。国庫支出金と県支出金、市のコロナ基金を充てており、総額4億323万9千円。
インフルも同時に検査
補正予算では、市の要請に応じて横須賀共済病院が開設するPCRセンターの運営費を補助。1日あたり最大150件を検査できる体制を整える。医師の診察で疑いのある場合は、新型コロナだけでなくインフルエンザも同時に判別することができる。補正額は5千万円で運営に関わる人件費や消耗品に充てる。市内では、新港町の救急医療センター駐車場に設けている市のPCRセンターに続いて2カ所目。今月中に開設予定で、同院裏の駐車場敷地に整備する。
また、PCRセンターだけでなく、発熱患者に対して市内診療所でも迅速な検査ができるよう体制を整備していく。医療従事者の感染対策や発熱患者の動線確保等を講じている県指定の「発熱診療等医療機関」などを対象に、新型コロナとインフルを同時に検査できる抗原検査キットを配布する。
さらに、感染の兆候がある人や濃厚接触者ではない「65歳以上の無症状の人」を対象にした検査費用の一部を公費で負担する。市の指定する協力医療機関でのPCR検査と抗原定量検査が対象で、本人負担はPCRが1万円、抗原検査が1500円となる。
相談体制を維持
流行の収束が見えない中で、保健所の体制を来年3月まで維持するための経費も補正予算で組まれた。帰国者接触者相談センターの人件費のほか、検査や入院医療費、患者輸送費の公費負担などに3億660万1千円を計上している。
市によるコロナ関連の補正予算はこれで8回目。感染症対策や生活支援、経済支援など多岐に渡っている。
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