三浦縦貫道路延伸が最大のテーマ 三浦市選出・木村謙蔵県議が3期目について語る
任期満了に伴う神奈川県議会議員選挙が4月10日に投開票され、三浦市選挙区(定数1)は現職の木村謙蔵氏が見事3選を果たした。本紙では、木村氏に今後の取組みなどについてインタビューした。
2期8年にわたる実績の総合評価
-まずは選挙戦を振り返っての感想から教えていただけますか。
木村/当初は従来どおりの手法の選挙戦を行なうつもりでいましたが、地震により自粛ムードが漂い、結果パフォーマンス的なことは極力控え、より地道にやらざるを得なかったので、正直やりにくさはありましたね。そういった中で勝因としては、例えば、三崎高校の払い下げや城ヶ島の駐車場・トイレの整備、漁港の予算あるいは小網代の森の保全に関する予算などソフトウエアの部分も含めた、この2期8年に渡る実績に対して評価をいただけたのではないかと感じています。ただ、今回はやはり防災対策という点がクローズアップされましたので、”このような緊急時だからこそ経験のある人を”という感情が作用した面もあるのかなとも思います。吉田英男市長ともタッグを組んでやってきておりますし、8年という時間の間に県議会・県の職員に対しても発言力が生まれてきている。結果的にはそういったことの総合評価をいただいたと受け止めています。
-3期目に取組むべき三浦市の課題はどのようなことだと考えていますか。
木村/まずはやはり防災対策になりますが、インフラ整備という面では、高さ5メートルの防波堤をすぐに10メートルにするというのは無理な話ですから、防災訓練であるとかいわゆるソフトの面をもっと充実させていく必要があるでしょうし、さらには高台への避難所の指定の見直しあるいは設備の充実などに加え、例えば民生委員の方がお年寄りの面倒をみている、子どもたちの登下校を見守り隊の方々がみているのと同様に、いわゆる地域力を使った防災対策も必要です。お金をかけない防災対策・地震対策というのはそれしかないと思っています。さらに忘れてはならないのは、農業と水産業です。原発による風評被害、TPPの問題等も懸念されますが、何よりも三浦市の基幹産業ですから、マグロを中心とする水産業の一層の充実、二町谷の利用も含めた今後需要が見込める沿岸漁業の一層の充実を図っていく必要があります。また農業にしても、食糧自給率や地球規模の人口増加を考えても品質のいい三浦半島の野菜はこれから需要が望めるはずです。あとは観光です。羽田空港が国際化され、松沢成文前知事も観光客誘致に力を入れていくと言っていましたが、横浜、箱根などと並んで三浦半島は観光客を誘致できる魅力を持っており、またそれをやっていく必要があります。そういう意味では、低料金の宿泊施設の充実や港の利用が非常に大事です。いわゆる特定第3種漁港という水産業が守られている漁港を、レジャーにも多目的利用していく。もともと故久野隆作元市長が作った造語ですが「海業」という言葉があります。その海業をもっともっと充実させることを考えていく。レジャーで三浦の海を訪れる人が増えれば、宿泊客や飲食店の利用者も増えます。そういう意味では、この港の多目的利用というのはこれからのとても大きな課題だと思います。それには交通アクセスも必要ですが。
知事との関係は一から作り直す
-そういった中でまず何から具体的に着手していきますか。
木村/まずは道路インフラ、三浦縦貫道路の延伸です。これは2期工事その1として高円坊の農協付近までは決まっており、平成27年度までに共用を開始します。それに向けて初声の交差点の改良も決まっています。問題はその先ですが、三崎地区の産業を活性化させるためにも道路の延伸は必要不可欠ですので、県会議員としてこの三浦縦貫道路の延伸というのは最大のテーマになっていきます。-同日行なわれた県知事選で黒岩祐治氏が新知事に当選しましたが、それについてはどう捉えていますか。
木村/やはり松沢氏が3期目を100%やると思っていました。で、松沢氏と私はものすごくいい関係を作っていましたし、三浦市ともいい関係を築いて三浦市の課題も把握していていただけましたから、今回また改めて一から知事との関係を作り直す必要があります。まずは、少なくとも県下水産業の75%が三浦市に集積している、また農業に関しては全国有数の生産地、マグロに関しても全国有数の基地、沿岸も含めて県下の75%はここに集中しているということ。少なくとも知事には、これだけの第一次産業がここにはあるということを知っていただく必要があると思っています。そこからのスタートになるのではないでしょうか。
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