俳句に込めた喜びと感謝 初声町の中澤さん自費出版
三浦市初声町に住む中澤靜恵さん(82歳)は今月、2冊目の俳句集「位星(くらゐぼし)」を自費出版した。タイトルにもなった「位星」は、3年前に誕生したひ孫のお宮参りの時に授かった「位星」にちなんだもの。一番のお気に入りは、ひ孫に思いを馳せ詠んだ「うららかに櫻に賜はる位星」。新たな命ひ孫の誕生―。句集には、喜びと感謝の気持ちを詠んだものなど約400句がまとめられている。
70歳から俳句を始めた中澤さん。72歳の時、病気で次男を亡くした。「言葉では表現できないほどショックを受けた」と振り返る。悲しみを振り払うかのように、俳句に専念。息子への思いを詠んだ句を残すことで、自身の気持ちが少しずつ前を向くようになった。そんな思いで詠んだ句をまとめた句集を2008年に初めて出した。
その後も俳句は中澤さんにとって心の支えになった。朝、外から聞こえてくる鳥のさえずりを詠んだ句や、窓から見える富士山を詠んだ句、景色の美しさを詠んだ句など、その後も詠み続けた。
3年前、長男に孫が誕生した。ガス会社を営む中澤家に跡取り候補のひ孫が誕生したことは、中澤さんにとって久々の喜びになった。「この歳でひ孫の顔を見ることができるのは幸せ」と顔をほころばせた。
次男の死、ひ孫の誕生と激動の数年間。「俳句は私の思いを残せるかけがえのないものになっている。俳句の出来はまだまだ未熟。上達するよう続けていく」と、さらなる創作意欲を見せる。
「チェルSeaみうら」徹底解剖6月21日 |
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