三浦市は、適切な管理が行われていない市内の空き家問題の解消をめざした「空家等対策協議会」をこのほど発足した。産学官民が連携し、実態把握や発生の抑止をはじめ、居住実態がなく、倒壊の危険性や景観・衛生を悪化させる建築物の減少、物件の利活用などを推進。来年度中にも対策計画を作成し、基本方針を定めたいとしている。
人口減少や土地所有者の高齢化などを背景として、全国的に増加傾向にある空き家問題。2013年の「住宅・土地統計調査」(総務省)によると、三浦市の空き家率は17・4%で県内の市の中で最も高い。また、市が15年に行った実態調査では、水道の閉栓情報をもとにピックアップした1300戸のうち、郵便受けの状況、雑草の繁茂などの外観確認から287戸が空き家であるとの判定を受けた。なかでも老朽危険度Dと判断された「建築物が全体に傾いたり、屋根の大部分が陥没、外壁の剥落によって倒壊などの危険性が高い」物件は25戸あるという。
ほかにも、近隣住民から都市計画課へ寄せられた空き家に関する苦情や相談は、15年度から昨年末までで48件にのぼり、対策が喫緊課題となっている。
利活用の方策探る
新たに設立した協議会には、吉田英男三浦市長をはじめ、地元住民を代表する区長会、大学、弁護士・司法書士会、不動産・建築業界団体から有識者が参画。産学官民をあげて、問題解決にあたる。
今月2日に行われた第1回会議では、空き家対策特別措置法に基づく特定空き家の判断方法や行政が強制力を伴う措置を講ずる代執行などについて意見や質問があがっていた。吉田市長は「調査で終わりではなく、空き家の数を減らして活用策を探りたい」と地域活性化への意欲も示し、改めて協力を呼びかけた。
市民周知徹底へ
三浦市は、空き家の利活用を定住促進や地域活性化につなげようと「空き家バンク」を昨年7月にスタート。しかし、広報誌やホームページなどでPRを図るも、登録数は半年間で2件にとどまり、新規物件の確保が課題となっている。出足低調の理由として同課は「周知不足もあるが、見ず知らずの人に賃貸・売却することに戸惑いを感じる市民が多く意識変化への働きかけも必要」と説明。今後も不動産関係団体に協力を仰ぎながら、さらなる認知度向上に努めたいとしている。
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