三浦名産のキャベツを餌としてムラサキウニに与えて育てる共同研究を行う神奈川県水産技術センターとまぐろ問屋「三崎恵水産」が今月12日、同社内で一般向け試食会を行った。「甘くて美味しい」「磯臭さがない」など好評で、商品化を期待する声もあった。
ムラサキウニは、近年三浦半島沿岸に増殖。城ヶ島の西部では、2008年頃からカジメなどの海藻が消失する食害「磯焼け」が確認されており、藻場を必要とするアワビやサザエが特産として知られる島の漁業に影響を与えていた。生殖巣が未発達で可食部が少ないため食用に不向き、個体数が多く駆除に時間や労力がかかるなど、漁協関係者にとってその存在は悩みの種だった。
県水産技術センターの臼井一茂さんは、ウニの雑食性をヒントに、野菜残渣をムラサキウニに与える養殖実験を開始。その1つに傷んで廃棄処分されるキャベツを与えてみると良く食べただけでなく、生殖巣の増加、独特の苦みを抑え、甘みと旨み成分を多く含む結果が出た。駆除されるウニと廃棄されるキャベツを使用する取り組みは、「マイナス×マイナスをプラスにするプロジェクト」として国内外から注目を集めていた。
三崎恵水産でも今年5月から同センターの指導のもとで研究を始め、自社の水槽で飼育を実施。約2カ月で身入りの増加に至ったという。
同社常務の石橋匡光さん=人物風土記で紹介=は、「まだ商品化に向けた実験段階。三浦市内での生ウニの販売やペースト・ソースなどの加工品にできたら」とし、三浦の新たな観光資源づくりへの意欲を話した。
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