春夏秋冬いつでも見ごろ、貝殻細工の河津桜はいかが――。
三浦海岸駅前、桜まつりのテント村で工芸作家の山口欽司郎さん(上宮田在住)が、三浦半島の貝殻を使った作品を販売している。カエルやフクロウ・パンダなど動物たちの中に並ぶ河津桜を模した作品が、買い物客の目を引いている。
山口さんは、趣味の釣りを楽しみたいと9年ほど前に東京都大田区から三浦へ移住。海へ通ううち、足元に落ちている貝殻に興味を持ったという。精密板金工の元職人ということもあって、手先の器用さは折り紙付き。「性に合った」と話すように、集めた貝で作品制作を始めると楽しさに夢中になった。「1つとして同じものはない。それぞれ違った表情が魅力」。これまで作った作品は3千超。貝の着色や整形などの加工はせず、唯一、仕上げに塗布するコーティングは光沢や変色を防ぐために透明の漆を使うこだわりぶりだ。
剪定枝を作品に
河津桜の花弁には、柔らかな桃色が美しい桜貝を使用。5枚貼り合わせると、満開の桜を思わせる大ぶりの花が現れる。雄しべは角貝、つぼみを麦貝で表現。支える幹は三浦海岸の河津桜の剪定枝を再利用し、5時間ほどで何の変哲もなかった枝に再び息吹が宿る。
「岩場や砂浜、いろいろな海岸があるので採れる貝も豊富。まさに宝の山」と顔をほころばせる山口さん。夜明けとともに海岸へ繰り出して貝を拾うのがコツで、とくに台風や高波が寄った翌朝は、多くの貝殻が波打ち際に落ちているという。「先に足あとがあったら場所を変える。争奪戦です」
現在は作品展で披露するほか、クラフトマーケットなどで展示販売。「『可愛い』と喜んでもらえることが一番嬉しい」とやりがいを話し、「三浦の海の豊かさが伝われば」と願いを込めた。
![]() 貝の河津桜を作る山口さん
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