家庭で使わなくなった不用品をあげます、もらいます――。リユース物品の無償譲渡で資源の再利用を促す取り組みが、城ヶ島を拠点に行われている。「使えるものは寿命まで使い、ごみにしない」を掲げて市民有志が“商店”を主宰。知人の紹介やSNSを介して循環の輪が広がり始めている。
城ヶ島にある岩盤浴施設「島の石風呂屋やしろや」。そのガレージには、本やCD、衣類・靴・布、文房具、台所用品、電化製品などの品々が所せましと並べられている。これらはすべて家庭から持ち込まれた修理を必要としない不用品。「まだ使えるけれど我が家では出番がない。必要とする誰かに使って欲しい」と集まったもので、持て余す・無用の長物を意味する「white elephant(白い象)」から「白象商店」と名付けられた無償譲渡スペースが常設されている。
今年3月開設
同店を手掛けたのは、小網代在住の中村るりさん。昨年からやしろやを会場に、スワップ(交換の意)ミーティングと題した仲間内の催しを開き、不用品の持ち寄り交換会を実施してきた。好評を博したことから継続展開を考えていたところ、同店の下社敦子さんからガレージスペースの提供を受け、今年3月からスタートした。
商店と名は付くが、「気に入った物があれば無料でどうぞ。不用の品の持ち込み大歓迎」がコンセプト。近年では個人間で気軽に商品の売買ができるインターネットサイトやアプリが台頭しているが、手続きの煩雑さや値付けの難しさなどを感じ、「それならばご近所の必要とする人に譲って使ってもらう方が有効的」と中村さんは着想に至った経緯を話す。「たとえば石油や石炭を掘るより、眠っている不用品を身近な資源として発掘し、循環させる方が簡単ではないか」
商品のなかには子ども向け雑貨やおもちゃもあり、嬉しそうに持ち帰る姿に再び役に立てる喜びがあるとし、今後もめざすのは、地域コミュニティのなかでの“リユース品の養子縁組”。寿命まで使い切る大切さを呼びかけたいという。
白象商店の開放は、やしろや(城ヶ島658の90)の営業に準ずる。
詳細は下社さん【携帯電話】090・7241・3978
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