実話集「みさきっちょ」
晴れた日の三崎は、世界一の町――。かつて三崎・日の出に住んでいた作家のいしいしんじさんが、同地での暮らしを描いた実話集「みさきっちょ」を6月10日(月)に上梓する。
近所に住む元気な子どもたち、スナック・バーの店員、八百屋の看板娘…登場するひとも店もすべて実名。作中には夕方を知らせる「歌の町」のチャイムが流れ、「しゃんねえなあ」「すごいじぇん」などの“三崎弁”が、小気味よく響く。
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2001年秋、当時の住まいがあった浅草から港をめざして電車で行き着いた三崎港。初めての地にもかかわらず、その翌週、2度目の訪問時に地元の不動産屋「オーシャンフロント」で、遠洋漁船の船乗りたちの簡易宿屋だった昭和の香りが残る古い一軒家を借りるところから物語は始まる。海南神社夏例大祭の神輿の担ぎ手になったことで“三崎人”の仲間入りを果たし、「宇宙一の魚屋」と愛してやまない「まるいち魚店」店主“のぶさん”こと、故・松本宣之さんらと過ごした日々や人情の機微などがユーモアを交えながら、ときに切なくつづられている。
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現在は京都に暮らすいしいさんだが、「母港は三崎。いつか帰港する日を心待ちにしながら航海中」と自身を表現するように、離れた今も思いは強い。これまでにも、三崎を舞台にした「三崎日和 いしいしんじのごはん日記2」(新潮文庫)や「港、モンテビデオ」(河出書房新社)の著書を発表。今作は同地で夫婦2人の出版社「アタシ社」を営むミネシンゴさんと1年ほど前から構想を練り、「三崎のひとにまず読んでもらえるような本」をめざしたという。
装画と挿絵は、絵本作家の長谷川義史さんに打診。実際に長谷川さんが下町を歩き、目、足、舌で感じた日常の景色を独特のあたたかなタッチで切り取った。
完成を受けてミネさんは「住んでいる町の本を住んでいる町で作れることは幸せ」と喜び、「自分が住む町が、もっと好きになる一冊」と話した。
全国書店発売に先駆けて、三崎堂書店(三崎3の2の16)とアタシ社HPで先行販売中。190頁、1400円(税別)。
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