第一次世界大戦勃発前のフランス。「ベル・エポック」と呼ばれ、パリが繁栄した華やかな時代を象徴する女優、サラ・ベルナールの人物像と彼女に関わりのある作品を特集した企画展が、横須賀美術館で始まった。
ミュシャやラリックも
類まれなる美声と演技力で「最初の国際スター」と呼ばれたサラ・ベルナール。1862年にコメディー・フランセーズでデビュー後、自らの名を冠した劇場を立ち上げ、看板女優として活躍した。注目すべきは、当時の文化を象徴する存在であったこと。主演作「ジスモンダ」のポスター製作では、当時新人だった画家アルフォンス・ミュシャを抜擢、舞台ではルネ・ラリックのジュエリーを用いるなど、彼らの才能を見出した人物として、20世紀初頭の新たな芸術様式「アール・ヌーヴォー」の美を体現した。
今回の企画は、サラを取り巻く華やかな世界を、様々な側面から紹介する日本初の巡回展。彼女の姿を捉えた当時の写真や同時代の画家による日本初公開の肖像画など約80点のほか、ミュシャ、ラリックなど、デザイン・工芸分野の作品約150点を通して、「ベル・エポック」時代の文化にも触れていく。
海の広場でオペラ
同展に関連したイベントも用意している。9月23日(月)は担当学芸員によるギャラリートークを実施(午後2時から、要観覧券)。28日(土)・29日(日)は「椿姫」などサラ・ベルナールにゆかりのあるオペラの名曲を、横須賀出身の宮本史利さんらが海の広場で披露する。午後6時から1時間程度。入場自由、雨天時はエントランスホールで先着100人。
■「パリ世紀末 ベル・エポックに咲いた華 サラ・ベルナールの世界展」/会期11月4日(月)まで/問い合わせ‥同館【電話】046・845・1211
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