三崎をモチーフにしたオリジナルの絵画作品を制作する 黒田 美結さん 三崎在住 18歳
”三崎愛”可愛くアートに
○…緻密なイラストデザインのなかに見え隠れする、スイカや波間から昇る太陽などの三崎の風景。曼荼羅の幾何学的な模様に魅了され、生まれ育った三浦三崎と融合させた独特の作風は、「可愛いもの×大好きなもの」という10代らしい純粋な着想だった。「可愛く出来たとき、周りから褒められたときが一番嬉しい」とはにかんだ。
○…絵を描き始めたのは中学生の頃。水彩画を嗜(たしな)む祖父を見て興味を持ち、暇があれば気ままにペンを走らせるようになった。さぞ美術の授業も得意と思いきや、決められた基準や時間内に仕上げなければならないことが性に合わず物足りなかったという。モットーはあくまで自由に、琴線に触れたものだけを描くという芸術家気質は、早くから芽生えていた。
○…やりたいことに打ち込ませてくれる家族、温かく見守ってくれる友人など「周囲の人たちに恵まれている」と感謝する。そして、地元の人情にも背中を押してもらった。アルバイト先のゲストハウス「RSD village」に集う大人たちが才能を見出し、店内装飾用の絵を依頼。サーフボードをキャンバスに描かれた大地・海・太陽・空が、ひと際存在感を放っている。いつしか趣味は自身の強みとなり、周囲の心を動かす大きな存在となっていたことに驚きを隠せない。
○…今春高校を卒業し、5月から1年間オーストラリアへ語学留学する。「アートに言語は関係ない。たくさんコミュニケーションしたい」。多民族・多文化国家での新たな出会いに胸を膨らませる一方で、気がかりなのは、生まれてから日常の一部だった「海南神社のお祭りに参加できないこと」とポツリ。地元の応援を受けて、生粋の“三崎っ子”は明日への一歩を踏み出す。