少子高齢化などにより増加傾向にある三浦市内の空き家を解体せず有効活用しようと、市民有志グループ「空き家レスキュー」が、今月1日に発足した。すでに2つの物件の改修に着手。住居やシェアスペースに再生させ、今後のモデル事業として利活用を促進したい考え。
空き家レスキューは、「三浦の古家は宝物。財産となる建物をできる限り後世に残していきたい」との思いを持つ市民有志で構成。「いわの不動産」の岩野孝一さん=人物風土記で紹介=を代表に、「合同会社ミサキステイル」の菊地未来さん、「練建築舎」の長坂絵理さん・洋佑さん(協力)の4人で、それぞれが不動産や建築、移住定住の知識を持つ専門家集団だ。
活動のきっかけとなったのは、三崎3丁目にある築80年を超え、風雨にさらされて外回りが激しく傷む1軒の木造家屋だった。所有者も「いずれ何とかしなければならないが、どうしていいか分からない」と長年手つかずだった空き家で、岩野さんが個人的に買い受けたのを機に、レスキューのモデル事業として、準備を進めてきた。6月にはボランティアの手を借りて、残されていた家財道具を運び出し、現在は一級建築士の長坂絵理さんが、女性目線で間取りプランを設計。今後、柱や意匠などをいかしながら改修が行われ、年度内の入居をめざす。
相談の選択肢増やす
空き家レスキューで受け付ける内容は、賃貸や売買、改修の相談まで多岐にわたる。岩野さんは、「行政や不動産屋だけでなく、相談できる選択肢を増やしたい。思い入れを引き継いでくれる人につなげられたら」と展望を話した。
8月22日(土)午前9時〜午後3時には、第2弾となる宮川町の物件で片付けの作業ボランティアを募集している。
依頼や参加応募は、岩野さん【携帯電話】090・4067・4217
市は相談員派遣
三浦市も空き家解消を目的に、先月から「空家等相談員」の派遣事業をスタートさせた。市内にあり、居住その他の利用がなされていない空き家が対象。申請に基づき、市と業務委託契約を結ぶ不動産コンサルティング会社の「(株)シー・エフ・ネッツ」が相談員を派遣する。同社は、市と協働で「トライアルステイ(お試し居住)」事業に取り組んでおり、それらのノウハウをいかし、移住定住事業とも連携を図りながら空き家の解消につなげたいとしている。
市によると、2015年度の実態調査で287軒だった空き家は、微減微増を繰り返し、2020年3月末には375軒に増加。昨年の台風で損壊した家から建材が飛散するなど、近隣住民から市に寄せられた相談で空き家と確認されるケースも多数あったという。
事業の詳細は、都市計画課【電話】046・882・1111(内線272)
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