県立三浦初声高校敷地内にある県有保安林で、学民協働の森林整備活動が始まった。人員不足で間伐や除草が進まず荒れた林を、再び人が憩い、多様な生き物が生息する場に再生しようと連携。適切な維持管理をしながら有効的な活用法を探る。
三浦初声高校和田キャンパスの裏手から和田長浜海岸方向に広がるおよそ4千坪の県有林は、津波・高潮の被害、塩害から住宅や田畑を守る「潮害防備保安林」に指定されている。
同校によると、以前は校内の畑で使用する堆肥を落ち葉から作ったり、地域の幼稚園児や小学生が自然観察に訪れるなど活用されてきたが、5年ほど前の大雪で状況は一変。雪の重さで木の枝が次々と折れ、倒木が増加したという。枯損木で日の当たらない林には笹が急速に繁茂。その後も台風の暴風被害が追い打ちをかけたりと、かつての姿は失われてしまったという。
現在、維持管理の専任職員はおらず、授業の合間に教員らが対応せざるを得ない状況に。さらに近年、三浦半島でも広がる「ナラ枯れ」が確認され、環境改善に時間を要していた。そこで、日ごろから授業の補助で協力関係にある市民サークル「みうら楽農くらぶ」(高松英一会長)にボランティア支援を依頼。サークルの立ち上げに、平塚農業高校初声分校(現三浦初声高)教頭の故・吉野忠男さんが尽力した縁もあって、「人手が必要ならば」と快諾を得た。今月11日には一回目の作業を実施し、メンバーは手際よく草刈りや倒木を取り除いていった。
作業は今後も継続して行われ、適切な保全と活用法を検討していくという。
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