市内唯一の健康スローピッチソフトボールチーム「マリーンズ三浦」。発足から2年が経ち、競技の裾野を広げるだけでなく、高齢者の健康維持や、おもに男性の地域における居場所づくりに一役買っている。メンバーは野球経験者こそ多いが、それぞれが還暦や古希を過ぎてから出会った新しいスポーツに楽しく挑戦。チーム一丸となって汗を流す姿には若さがあふれている。
楽しむことに全力投球
健康スローピッチソフトボールが国内で普及し始めたのは1999年頃。2017年に105歳で逝去した聖路加国際病院名誉院長の日野原重明さんも、かつてシニアチームを結成して、高齢者の「健康・仲間・生きがいづくり」の一環として競技を推奨していたことでも知られている。
使用球は一般的なソフトボールよりも大きい14インチ、選手同士の接触防止のためそれぞれの塁に攻守1つずつベースを設置、山なりでゆっくりとした投球--など、一般的なソフトボールをもとにした初心者にも平易で、怪我のリスクを抑えた独自ルールがある。マリーンズも加盟する「全日本健康スローピッチソフトボール連盟」では、参加資格を男性60歳以上・女性30歳以上に定め、練習や試合が行われている。
マリーンズは2018年に発足。チームの事務局を務める中村和利さんが、東京都大田区を拠点に活躍する「メイジャ・マクレ大田」の存在を知り、「少子高齢化が深刻ながらも元気な高齢者が多い三浦でも根づかせられないか」と体験会を企画・開催したことがきっかけとなった。終了後、参加者らが中心となってチームを立ち上げ、現在は尾上町シニアクラブが核となって運営されている。
現在19人が所属。平均年齢は70歳前後で、会長の柏高実さんが77歳で最高齢だ。練習は尾上中央公園で毎週火曜日の午前中、旧三崎中学校グラウンドで月1回実施。準備体操から始まり、ランニング、キャッチボール、ノック、ミニゲームなどを楽しんでいる。「体を動かすとお酒や食事がおいしく、外へ出ることで生活にメリハリが出る。ソフトボールという共通の趣味を持つ仲間と価値を共有できることも喜び」と柏さんは話し、「今では筋肉痛も心地よく感じるほど」と笑った。
発足から2年が経過し、揃いのユニフォームに身を包む場面や、個々に技術力の向上が見られると、チーム運営や練習姿勢に変化が出て、士気の高まりも感じられるようになったという。まずは「楽しく体を動かすことが第一」だが、日本各地からシニアチームが集う大会「日野原カップ」への出場が、活動の励みのひとつになっている。
居場所を提供
また、一般的に定年退職後の男性は、地域での人間関係の構築や趣味・生きがいを見いだしにくく、孤立しやすいと言われていることにも触れ、柏さんは「身近に居場所ができ、ざっくばらんに会話ができる同年代の仲間との付き合いも増えて嬉しい」と語る。コロナ禍で昨年6月まで活動自粛を余儀なくされたが、こうした繋がりの大切さを実感する機会にもなったという。
今後の目標は市内での競技普及。「会員を増やし、ゆくゆくは1軍・2軍が作れるくらいに盛り上げることができたら」
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マリーンズ三浦は、1月24日(日)に旧三崎中学校グラウンドで健康スローピッチソフトボール体験会を実施する。時間は午前10時から正午。参加無料、動きやすい服装・靴を着用する。
詳細は柏さん【電話】046・895・1123
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