諸磯にあるマリンレジャー施設「三浦海の学校」で先月20日、「シオカゼサウナ@三浦半島」と題した催しが初めて行われた。静かな海のほとりで、屋外サウナを楽しみながら三浦の魅力も体感してもらい、地域活性化に繋げられないか--。2人のサウナ好きによる新しい試みだ。
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催しを企画したのは、「SUPER SAUNA BROS.(スーパーサウナブラザーズ)」のトヨダさんとオカノさん。2人は以前、同施設に勤務していた同期で、現在は別々の企業に勤めているが、所謂(いわゆる)「サウナー」と呼ばれるサウナ愛好家として交友がある。
「働いていた時から冬の閑散期を盛り上げられないか考えていた」。トヨダさんによると、ダイビングやシュノーケルなどのマリンレジャーが楽しめる同施設の繁忙期は7月から9月。利用客が減少する冬場の施設活用の一環で、サウナによる集客の可能性に着目したという。
近年、漫画やドラマ、書籍などの影響で女性や若者層にも広がりを見せるサウナ。さらにコロナ禍の新しい生活様式やアウトドア人気を追い風に、屋外でプライベート空間が保たれるテント式サウナにも火が付き、キャンプ場や湖畔のほか、寺社などでもイベントが行われ、地域活性化の一手段としても注目されている。
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テントサウナは、耐熱性のテントの中で薪ストーブを炊いて100度前後まで温度を上げ、熱した石に水をかけることで水蒸気を発生させる。ある程度の広さがあり、火気使用が認められた場所であれば設置できる手軽さが売りだが、ただ温まるだけではサウナ特有のリラックス状態「ととのう」感覚は得られず、水風呂と外気浴ができる環境の確保が大切なのだという。
そこで2人が目をつけたのが、ダイビング用プールだった。一般的な水風呂の水温はおよそ18度で、外気や季節で若干の変動はあるもののほぼ同じ。さらに最大3・5mの水深も他にはない特徴だ。サウナ発祥の国・フィンランドでは、湖畔のサウナ小屋の利用者が湖で泳いでクールダウンするように、火照った身体で思いきり飛び込める点は本場に近い。
この日は4人の参加者が訪れ、海を臨むデッキで暮れなずむ空を眺めながらリラックス。SNSを見て申し込んだという男性は、「これまでにないロケーションの良さが最高。水風呂は広くて開放感もある」と絶賛した。
サウナ好きの中では、ととのったあとに食べる「サ飯(めし)」も醍醐味のひとつ。サ飯に力を入れる施設やイベントが増えていることから、「地元食材のPRにもなれば」と、まぐろのテールやダイコンを使った「マグロウリュカレー」を用意。熱々の石焼きカレーをサウナストーンに水をかけて蒸気を発生させるロウリュに見立てたオリジナルメニューを提供した。
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もとは施設が抱える課題の解消から生まれた試みだが、市内観光の新たなコンテンツの造成にも有効的だという。昼間はマリンレジャーを楽しみ、夕方からテントサウナで「ととのう」。1泊し、“朝サウナ”でひと汗かいたあとは、朝市や市内観光へ-。「火気が使える砂浜なら人出の少ない冬の三浦半島の海辺を活用したイベントも可能では」とアイデアは尽きない。
今後も開催していく予定で、詳細は「スーパーサウナブラザーズ」で検索。HPまたはSNSで確認を。
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