三浦半島 草花歳時記 第33回 江戸時代「トウナス」と呼ばれた「カボチャ」 文・写真 金子昇
夏になると三浦半島には「カボチャ畑」が広がります。「カボチャ」の原産地は熱帯アメリカですが、16世紀に日本へ渡来した際、カンボジア産と考えられていたため、この名がつきました。メキシコ遺跡から紀元前7000〜5000年のカボチャが発掘されています。
江戸時代の京都では「カボチャ」、大阪で「ナンキン」(南瓜)、江戸で「トウナス」と呼ばれていました。また幕末の頃の西洋カボチャは、皮が非常に堅く鉈で割ったため「ナタワリカボチャ」といいました。
カボチャの花は自家受粉では実ができにくいので、人工授粉させます。フィリピンでは花をスープやカレーの具にしています。
また鉄分やタンパク質、脂肪、ビタミン類が非常に豊富で栄養価が高く、長期保存がきくことから、冬至に食べる「冬至粥」に利用されます。一般的に冬至粥は、南瓜粥や小豆粥を食べて邪気を払い、とうじ→湯治とかけて生まれた柚子湯に入ると、風邪をひかずに冬が越せるといわれています。
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