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三浦版 公開:2022年8月26日 エリアトップへ

観音崎自然博物館の学芸部長で「身近な海岸の生物観察」の講師を務める 山田 和彦さん 天神町在住 63歳

公開:2022年8月26日

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山田 和彦さん

五感で楽しむ海の神秘

 ○…「海好き」を半世紀以上にわたって貫き、自然の魅力と大切さを伝えている。幼い頃からの趣味は貝殻集めで、今回はアドバイザーとなり、漂着物が多い朝にフィールドワークを実施する。「誰でも気軽にできる海遊びを知ってほしい」

 ○…都内生まれ。2歳になると母親に貝の標本をねだり、三浦半島の海に出掛けては貝収集に没頭する少年だった。「電車に揺られ、窓辺から海が見えるとワクワクしてね」。将来の夢は「水族館で働くこと」で、大学では水産学を専攻。岩手県陸前高田市で研究調査に明け暮れ、晴れて京急油壺マリンパークに就職した。「全然言うこと聞かなくて、胃が痛くなった」と入社後すぐに担当したアシカの飼育では、徐々に信頼関係を築いていった。築地の資料館を経て、7年前に観音崎自然博物館へ。魚類・海洋生物の調査や展示、講演などを行う。「学芸員でなく”雑”芸員。何でもやります」と笑う。

 ○…ここ数年、南に棲む生物が三浦でも見られるようになった。原因は温暖化で、生態系の変化を実感せざるを得ない。市内の小学生に海洋教育を熱心に指導する理由はここにある。「まずは海に興味を持ってもらい、将来”コロンブスの卵”的な発想が出れば。課題が大きすぎるので、子どもたちに託すしかない」

 ○…「この生物は何ですか」といった電話相談を心待ちにしている。県内では珍しいウシマンボウが三浦海岸に打ち上げられた際も現地へ。休日には海に潜り、カニが捕食する姿をじっと眺めるなど、小さな命の神秘を五感で楽しむ。「行動一つひとつが気になり、納得いくまで調べてしまう。海は深さや潮の流れなど環境の変化で違った表情を見せる。飽きることはない」。好奇心は留まるところを知らない。

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