三浦半島 草花歳時記 第39回 春の七草ではない「ホトケノザ」 文・写真 金子昇
三浦半島の野菜畑の土手には、早くも「ホトケノザ」(シソ科)が咲き始めています。
名の由来は地面に広げた葉(ロゼット)の様子が、仏の連座に似ていることから「仏の座」とつけられました。昔は「三蓋草」(中国名は「宝蓋草」)と呼ばれていましたが、18世紀頃に現在の名に代わりました。
花はランの花に似て上唇と下唇を開いたような形をしており、下唇には美しい模様(ガイドマーク)があります。昆虫はこのマークを識別し、蜜を求めてやってきます。また、下唇はやや広く、昆虫が訪れる時の着地に適しています。着地後、狭い花の中に蜜を求めて潜り込むと、昆虫の背中に雄蕊の花粉がたくさん付着するようになっています。
春の七草の中にも「ホトケノザ」の名がありますが、上記のホトケノザとは異なり、キク科の「コオニタビラコ」を指します。三浦半島ではあまり見かけませんが、旧田園等に群生することがあります。なお、シソ科のホトケノザは食用には不向きです。
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