「みうらっこ食堂」の代表を務める 石崎 龍介さん 上宮田在住 66歳
”食”で子どもに誇りを
○…昨年11月から開始した「みうらっこ食堂」のイベントが人気を呼んでいる。地元農家から協力を得て、みかんジャムや大根とバラ肉の煮物、春キャベツを使った餃子など、旬の食材を使った料理を子どもに無償提供。地域コミュニティの場としての機能もあり、多世代が親睦を深めている。「三浦には美味しい物がたくさん。次はリクエストが多いデザートにしようかな」と微笑む。
○…「貧困対策」として重要な役割を持つ「子ども食堂」。ただネガティブなイメージばかり先行すると、本当に必要とする子どもに届かないリスクもある。それを払拭しようと、コアコンセプトに掲げたのは「食育促進」というポジティブな視点。「ヤングケアラーや不登校など、満足に食べられていない子は実際にいる。食事を出すだけでなく、どう広げていくかが課題」。小さなオアシスで一息つき、明日へと向かう活力を養う場づくりを模索中だ。
○…都内で生まれ、大学で仙台へ。理系で原子核工学を学んでいたが、障害児教育にも興味を持ち、教員の道に進んだ。海に憧れ、神奈川の学校を選択。国立久里浜養護学校などを経て、最後は横須賀市立ろう学校で「ことばの教室」を担当した。「壁を乗り越えて成長する過程を傍で見守る素晴らしさを経験できた」。競技経験を活かし、現在は知的障がい者サッカークラブ「リュンクス」の監督も務める。
○…三浦に移住したのは25年ほど前で、子育て真っ最中の時期。よく小松ヶ池を散策し、3人の子どもをのびのびと育てた。「子どもから学ぶことは多い」。今後は大根抜きなど収穫体験を計画していくほか、持続可能な活動にしようとNPO法人化を目指している。「食を通じて三浦に誇りを持ってもらえれば」