三浦市社会福祉協議会(社協)の会長に就任した 杉山 実さん 上宮田在住 73歳
手と手つなぐ福祉の輪
○…高齢者や障がい者、生活困窮者など、さまざまな事情を抱える人が安心して暮らせる支援や事業を展開する民間団体である社協。三浦にも地域福祉を担う拠点があり、相談やサービスは多岐にわたる。ここで2年ほど副会長を経て、今年6月に職員の指揮を執る重役に就いた。「全力を尽くしていきたい」と柔和な笑みを浮かべる。
○…白石町で生まれ育った。三崎高校から都内の大学へと進んだが、当時は学生運動の真っ只中。「まともに勉学に励む状況ではなかった」と振り返る。卒業後は三浦市役所に入庁。12年間、副市長の仕事を全うし、それと兼任する形で市社協の理事も務めた。「市役所は市(・)民に役(・)立つ所(・)。主人公である市民と同じ目線で接することが大事」との想いは社協の活動にもつながっている。
○…NPO法人ぴあ三浦が運営する地域活動支援センター ライフサポート三浦の理事長の顔も持つ。引きこもりがちな人が映画鑑賞やウォーキング、太極拳といった余暇活動を通じ、豊かな社会生活を営むためのきっかけを作ったり、その家族らと一緒に将来を考えたりしている。「たとえ障がいがあっても壁を乗り越える力がある。失敗することもあるけれど、前に向かおうと努力する姿を見て、私自身も学ばせてもらうことがある」と慈愛に満ちた瞳で語る。
○…趣味はフォークギターを弾くこと。娘が連れてくる愛犬との散歩も息抜きだ。「地域に張りついて活動する民生委員や児童委員などに社協を支えてもらっている。小さなまちだけれど、強い絆がある」と三浦の魅力について語り、「今まで市民に助けられてきた。今度は私が手と手をつないで楽しく生きる環境を整え、『三浦に住んで良かった』と思えるまちを築いていければ」