盆の伝統行事「三戸のオショロ流し」が8月16日、三戸海岸で行われた。「セイトッコ」と呼ばれる小学1年から中学3年までの男子9人が、盆に迎えた先祖の霊を藁船に乗せて海に送った。
初声町三戸に江戸時代後期から伝わるとされる盆の精霊送り行事。毎年同日の早朝に、上谷戸、北、神田の地区が実施する。2011年3月には、国の重要無形民俗文化財に指定されている。
午前6時頃から地域住民が全長5mほどの「オショロ(お精霊)船」作りに取りかかった。竹でできた骨組みに麦わらを積み、5色の旗や花飾り、新盆の家庭で使われた白提灯などを装飾。セイトッコは「オショロさま、こして、けえやっせ(お精霊さまをこしらえて下さい)」と叫びながら地区内を巡回した後、浜辺に降りた。線香の香りが漂う中、地元の僧侶が読経。供物が積まれると、セイトッコが海に入り、縄でつながれた華やかなオショロ船を沖まで泳いで曳いていった。
文献によると、オショロ流しは1959〜60年に一時休止。その翌年、郷土研究の記録を目的に上谷戸で行われると、住民から再興を考える意見が挙がり、62年から復活した。ただ、かつて3地区それぞれで制作していた船は、少子化で2017年から1隻を合同で送り出す形に変えた。石田健大区長は「子どもは少ないが、規模を縮小してでも続けていきたい」と伝承の必要性を説いた。
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