三浦市民交流センターニナイテで館長を務める 高村 文子さん 横須賀市追浜在住 56歳
「多世代まじわる交差点に」
○…”三浦のへそ”に位置する引橋に2019年6月開所した「ニナイテ」。市民の自発的な活動や地域資源情報の受発信などの拠点で、昨春から館長職に就いた。コロナ禍で催しの中止や縮小を余儀なくされながらも「地域の人の声を聞く」ことを心掛け、人々が交流する環境を提供してきた。「ふらっと立ち寄ってくれる皆さんは人懐っこくてあたたかい」と柔和な笑みを浮かべる。
○…長野県千曲市で、3人きょうだいの次女として生まれ育った。大学進学のため上京。社会学を専攻した。迫りくる高齢化社会を前に、ゼミでは「家族」をテーマにした統計を集め、実態を把握。社会貢献にも興味を抱き、卒業後は後にニナイテの指定管理者となるYMCAへ入社した。横浜で総務のほか、県内各地で学童保育や英会話教室、国際交流などの事業に携わった。近隣では、公設民営の施設として当時まだ珍しかった横須賀市立市民活動サポートセンターのスタッフも務めた。約15年前、YMCAコミュニティサポートの理事に就任。米国・オハイオ州コロンバス市で高齢者対策に取り組む代表団が今夏、三浦を訪れた際に、堂々とした姿で事業概要を英語で説明できたのは、これまで積み重ねてきた経験の賜物だ。
○…「食べる」「歩く」が趣味。「ニナイテに来る人の中には『食べたことないの?』と三浦大根を畑から持ってきてくれたり、他人の赤ちゃんの面倒を見てくれたりする人もいる。コンパクトなまちだからこそ、人とのつながりが強い」と三浦の魅力を語る一方で、「移住した人から『住民とあいさつから先の深い関係に発展しない』という声もある。互いに接点を増やせるような企画を進めていき、移住者も先住者も多世代がまじわる交差点のような場になれば」