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三浦版 公開:2023年12月1日 エリアトップへ

三戸光照寺 「スダジイ」腐朽率75% 来年4月から治療に着手

文化

公開:2023年12月1日

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スダジイが落としたドングリを拾う地元の子どもと協会副理事で樹木医の後藤さんら
スダジイが落としたドングリを拾う地元の子どもと協会副理事で樹木医の後藤さんら

 樹齢600年以上といわれる三戸の光照寺にある古木「スダジイ」が11月25日、(一社)日本樹木遺産協会の樹木医から診断を受け、幹内部の腐朽率が75%であることが分かった。来年4月から治療が施される。

 スダジイは、ブナ科シイ属の常緑広葉樹。境内の墓地内にすっくとそびえ立つ古木は、同寺が創建した室町時代の1430年には既にあったと伝えられている。樹高は8m、幹周は5mほど。市指定保護樹木20本のうちの1本で、「かまくらと三浦半島の古木・名木50選」にも選ばれている。

県内初の樹木遺産

 三浦正英住職によると、上部の枝に葉がつかず、リスに樹皮をかじられるなど、今年に入って特に樹勢が弱まってきたという。もう1本あったスダジイは枯れ、頭を悩ませていたところ、同協会の事務局を務める(株)木風の楠恭子さん(菊名在住)が同寺を訪れた。

 2022年5月に発足した同協会は、歴史的価値のある木を所有者の同意を得て「日本樹木遺産」と位置づけ、次世代に残す活動をしている。同寺のスダジイは今年8月、戸越八幡宮のケンポナシ(東京都品川区)、抹香屋のタブノキ(同江戸川区)に次ぐ3番目、県内では初認定された。

シンボルを守れ

 診断では、CTスキャンのように樹木内部の腐朽率を調べる「ピカス音波計測器」が用いられたほか、木槌で幹を叩いた音の速さで空洞箇所を見つける方法で行われた。

 「どこまで復活するのか楽しみ」と、地元の子どもたちも一緒に体験。今夏の暑さで乾燥したことなどが、腐朽進行の要因の一つとみられる。

 今後は枯れ枝を取り除いて新しい枝を生やし、根から栄養が取れるように肥料をまいて土壌を改良するほか、万が一の倒木を避けるために支柱も設置する。治療費は、協賛企業の大樹生命保険(株)が3年間まかなっていく。同協会副理事で樹木医の後藤瑞穂さんは「日本の文化的な財産を残すためには、地元の人々に関心を持ってもらうことが大事」と話し、三浦住職は「寺のシンボルが元気になりますように」と願い、古木を眺めた。

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