(公社)土木学会が認定する「2023年度土木学会選奨土木遺産」に、城ケ島大橋が選ばれた。市内では油壺験潮場旧建屋(小網代)に次いで2例目。国内における橋梁技術発展の礎となった重要土木施設で、漁港基盤としての役割を果たす一方、観光など地域活性化の一翼も担っていることが評価された。
幕末から1945年頃までの近代土木構造物を中心に、社会や土木技術者へのアピール、まちづくりへの活用・保存を目指して2000年度から始まった制度。年に20件ほど、これまで500件以上が認定されている。
55年頃、遠洋漁業の急速な発展に伴い、三崎の漁港関連用地が不足。対岸の城ヶ島に埋立用地を拡張し、その経済的価値の向上と用地の高度利用を図るため、城ケ島大橋は事業費7億円を投じて60年4月に完成した。
橋長575m、幅員11m。航路を跨ぐことから、海面から高さ21m、幅85mを確保しなければならず、当時ドイツで用いられた鋼床版箱桁形式を採用。赤の塗装も近代橋としては珍しく、「東洋一を誇る優美な橋」として注目を集めた。
昨年9月22日に認定され、1月29日には市民交流センターで認定書授与式が行われた。選考委員から認定書と銘板を贈られた神奈川県東部漁港事務所の佐藤映所長は「先人たちの努力で60年余り橋が存在する。次世代に引き継ぐため、しっかりと維持管理に取り組んでいく」と感謝を述べた。
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