かつて中学校の部活動で花形だった野球部の存続が危ぶまれている。市内中学野球部の部員数は三崎中の16人が最多で、初声中が0人。南下浦中は2人いるが、来年度の4月から新入生を募集しない。部活の実施主体を学校から地域の民間団体に委ねる「地域移行」が全国の中学で進む中、三浦では市職員らによる協議にとどまる。市内の中学生軟式野球チーム「マリーンズベースボールクラブ」の加藤正嗣監督は「子どもや先生のためにも、部活とクラブは一緒にすべき」と主張する。
中学の部活は、少子化に伴う部員数の減少で、大会への参加や日々の練習もままならなず、廃部するケースが全国で後を絶たない。一方で、教員の働き方改革も課題だ。土日出勤など多忙な部活指導は、教員にとって負担が重くなるほか、競技経験のない部活の顧問となり、戸惑う教員も多い。それらを踏まえ、国は2023年度から3年間を「改革推進期間」と位置付け、部活の地域移行を促している。
3月1日に開かれた三浦市議会第1回定例会で、千田征志議員は地域移行の進捗状況について一般質問した。教育部長は、昨年1月に中学1・2年と教員にアンケートを実施したところ、教員が部活指導に時間的な負担を感じていること、心身に支障をきたして休職している教員がいることなどを明らかにした。
市は今年度、現状把握や今後の課題を話し合う場を設置。中学校体育連盟の理事会に市職員が参加して協議を重ねており、「指導者の確保や生徒数の減少による部活動の縮小、活動・移動時間など解決が困難な問題もあるが、生徒のより良い環境づくりに向けた議論を進めていく」とした。
「受け皿の整備を」
同クラブの加藤監督は昨春、市内3校の野球部顧問や校長に部活の地域移行を提案した。「準統合型」と銘打ち、希望部員を土日祝のみ指導し、練習試合や地域大会に出場させる内容。入部金3千円、月会費1千円が必要だが、競技経験者による専門的な指導を受けられる利点があり、見学にきた部員も数人いるという。クラブ員は8人で、同クラブ自体も以前より選手が少ないことにも触れた上で、加藤監督は「全国出場など、子どもが目標を持つことは大切。心や体力など人間力を形成していきたい」とスポーツの意義を語り、受け皿の整備を望んだ。
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