任期満了に伴う三浦市長選(6月11日告示、同18日投開票)に現職の吉田英男氏(60)が今月2日、4選を目指して出馬する意向を明らかにした。「12年で一定度の成果を上げられた自負はあるが、道半ばの課題もあり、市の発展のためにもう1度頑張らせてほしい」と再選への意欲を見せている。
3期の実績訴え
吉田氏はまず3期を振り返って、情報開示やトップダウン方式に偏らない意思決定といった庁内の組織改革、土地開発公社の解散、海洋教育の推進、ごみ処理・消防における横須賀市との広域化、三浦バイオマスセンターの開設などを挙げた。また、4期目に取り組む課題として、二町谷埋立地への民間企業の誘致、三崎高校跡地に整備する(仮称)市民交流拠点の利活用、西海岸線道路の整備などを列挙し、「やりかけの仕事がだいぶある」と出馬理由を説明。また、三崎・城ヶ島で進む県の新たな観光の核づくり事業、高齢者の移住を促す日本版CCRC、三戸小網代地区の将来展望、東京五輪・パラリンピックに向けた誘客戦略などについて「三浦市には課題も多いが、新しい風が吹いていると感じている」と地域活性化の前向きな材料も併せて示した。
市の喫緊課題である人口減少対策では、転入・定住促進のための雇用の確保と子育て世帯の支援充実をめざし、新年度からの第4次総合計画(三浦みらい創生プラン)に基づいた市政運営を行うとした。
財政健全化に対しては、限られた財源ながら民間活力の導入、国や県などの補助金・交付金を活用し、歳出を抑制してきたと強調。先月末に行われた施政方針演説でも吉田氏は「身の丈に合った財政規模」と繰り返し、今後の財政運営において引続き注力したいとしている。
また、現在の市庁舎を城山地区から三崎高校跡地に整備予定の(仮称)市民交流拠点への移転に関する話に質問が及ぶと、「移転ありきではない」と明言。跡地活用の方向性を示し市民の意見を集約した上で、三崎下町地区の活性化が図れる経済的機能の誘致をめざすとしている。
「市民に審判仰ぐ」
同市長選にはこれまで、新人の飯田俊行氏(67・無所属)が、先月10日に出馬を表明。12年続く現市政について「二町谷埋立地などの公有地売却の失態や外郭団体への出資金など不透明な点が多い」などと指摘した上で市民参加、市民目線のクリーンな市政を掲げて信を問う構え。市民団体「明日の三浦をつくる会」(石渡道臣代表)が推薦し、市議の木村謙蔵氏(無所属)も同氏を支持する姿勢を示している。
「市民に審判を仰ぐことは必要。これまでの実績、市の将来像を訴えていくにはいい」。12年ぶりの選挙戦となる見通しで、同日夕方に行われた記者会見には、岩野匡史議長をはじめとする、みうら市政会、自由民主党、公明党の市議7人と地元選出の石川巧県議が見守るなか、吉田氏は「市のために何をするか、すべきなのか。自分の政策を訴えていきたい」と述べた。
吉田氏は1979年横浜銀行へ入行。葉山支店長や県庁支店長を経て、2005年6月に初当選。
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