市民グループ「三浦史蹟名勝振興会」の会長を務める 大井 英章さん 下宮田在住
三浦のいいトコ”盛り上げ隊”
○…「三浦七福神をはじめとする神社仏閣や岩礁美、のどかな田舎道も良い」。「三浦の魅力は」との投げ掛けに答える表情はどこか誇らしげだ。今年1月、仲間らと市民団体「三浦史蹟名勝振興会」を立ち上げた。「三浦のいいところを大勢の人と共有し、楽しむ会になれば」。街が好きで人が好き。そんな思いに共鳴した人がさらに縁を繋ぎ、現在は市内外から約30人が集うまでになった。
○…今は河津桜の名所となった小松ヶ池の近くで生まれ育ち、幼少期はフナ釣りや虫捕りなど自然が遊び場だった。長らく市外に出ていた勤め人時代、ふとこの先の人生設計を思い描いたときのこと。脳裏には故郷の風景が真っ先に浮かんだ。「都会の生活はつまらなくて」。三浦へのUターンを決意した瞬間だった。片道約2時間の通勤には苦労したが、花と緑に囲まれた余暇など自分らしい生活は欠けていた充足感を何より満たしてくれた。
○…金沢八景や江戸近郊八景などをなぞらえて、一般公募で集まった8つの勝景を選定する独自企画”平成版三浦八景”。会ではこれまで南下浦と初声地区をテーマに呼びかけ、様々な声を集めた。その1つひとつが守るべき地域資源であり、ひいては活路を開く市民の宝なのだと信じてやまない。今後はアジサイの里づくり、絵画・俳句・写真作品などを通して八景をPRする展覧会を構想。具現化に向けてメンバーたちの士気も日々高まっている。
○…緑化ボランティアや観光ガイドなどにも所属し、あらゆる形で地域と接することが生活の一部になっている。振興会の会長職も加わり、さぞ多忙を極めているのではと問えば「じっとできない性格で」と涼しい顔。「実は好きな言葉があってね」と続けたのは「リーダーとは希望を配る人」というナポレオンの名言だ。「夢や希望を配ることが私の役割。そう考えると楽しいでしょう」。茶目っ気たっぷりに笑ってみせた。