2021年に障害者差別解消法が改正され、4月から事業者による合理的配慮の提供が努力義務から義務に引き上げられる。日常・社会生活における設備やサービスの中には、障害者にとっては利用が難しく、結果的に活動などが制限されてしまうことがある。当事者から「社会的なバリアを取り除いてほしい」という意思表明があった場合、事業者らは建設的な対話を通じて相互理解を深め、共に対応策を検討することが求められる。
義務化される内容は幅広い。具体例としては、肢体不自由の人に飲食店で車いすのまま着席できるようにしたり、難聴や弱視の人に太く大きな文字で筆談に応じたりすることなどが挙げられる。
障害のある人との対話を拒む行為は義務違反となる可能性があるが、多額の費用や重い負担がかかる場合などは、申し出を断ることもできる。
「正しい理解を」
脳性麻痺による四肢体幹機能障害とマルファン症候群で視力障害がある田村一輝さん(24歳・金田在住)は「義務化は大きな一歩」とした上で、「ただ何年がかりで、どのくらい社会に浸透していくのかは分からない」と健常者と同じように暮らす難しさを指摘する。
一日のほとんどを車いすで過ごす田村さん。月曜から木曜は三浦創生舎(上宮田)で冷凍餃子直売店「餃子いちばん」に納品するエコバッグを作り、金曜はリハビリデイサービス「ゆずリハ」(小網代)で歩行練習に励む。手すりのある多目的トイレやバリアフリーの美容院を利用。服を脱ぐのは自身で、着るのは家族に手伝ってもらい、入浴は全介助。音楽好きでうらりデッキで昨冬開かれたロカビリーライブで熱狂するなどアクティブな性格だが、「入口に階段のある店や銭湯を利用するのは諦めている」と行きたいのに行けないもどかしさを口にする。
また、先日横浜を訪れた際に「(車いすを)押しましょうか」と声をかけてきた人についても触れ、「障害は十人十色。困っている部分は違うけれど、気にかけてもらえるのは安心につながる。一人ひとりの正しい理解が進めば、誰もがまちに出やすい社会になるはず」とコミュニケーションの重要性を説いた。
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