三浦半島 草花歳時記 第54回 桜餅の葉「オオシマザクラ」 文・写真 金子昇
「三つ食へば葉三片や桜餅」(高浜虚子)
「オオシマザクラ」の葉は塩漬けにすると保存がきき、成分の「クマリン」による芳ばしい香りが出てくるため、昔から桜餅の葉に利用されてきました。
オオシマザクラは伊豆諸島に自生し、特に伊豆大島に多いことから、この名がつきました。古い時代から伊豆半島や南関東へ広く分布しており、花は普通白色で径4〜6cmと大きく、展葉(若葉は緑色)と同時に開花します。萼片に細かい鋸歯があり、葉の両面とも無毛です。
三浦半島には本種とよく似たサクラが2種、自生種の「ヤマザクラ」と「ソメイヨシノ(オオシマザクラとエドヒガンの雑種)」があります。見分け方は次の通り
〇ヤマザクラ...開花と同時に展葉(若葉は赤褐色で裏面は緑白色)し、花柄と萼片は無毛で萼片には鋸歯がない
〇ソメイヨシノ...花柄に細毛があり、開花後に展葉、萼片の下部の筒状に赤紫色の細毛があり、萼片に鋸歯がある
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