三浦半島 草花歳時記 第56回 ソラマメの仲間「カラスノエンドウ」 文・写真 金子昇
春に咲く野の花の一つに「カラスノエンドウ」があります。「エンドウ」の名がついていますが、実際は「ソラマメ」の仲間で、種子の「へそ」がソラマメのように長くなっています。葉の先端の3本の巻きひげがエンドウに似ているため「エンドウ」、そして種子は熟すと黒くなることから「カラス」の名がつけられました。また「野のエンドウ」ということから、呼び名は「カラスの エンドウ」ではなく、「カラス 野エンドウ」となります。
三浦半島の海岸には、これによく似た「ハマエンドウ」が生育しています。一見区別がつきにくいですが、ハマエンドウはやや小型で、先端の巻きひげが普通1本で、羽状複葉の小葉の数も3〜6対(カラスノエンドウは約10対)と少ないです。またカラスノエンドウの托葉には、黒い斑点の蜜腺があります。
道端や農地には、花や小葉が細くて小さい「スズメノエンドウ」も見られます。さらにカラスノエンドウとスズメノエンドウの雑種「カスマグサ」もあり、カラスの「カ」とスズメの「ス」、その中間の「マ」から名がつきました。
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