「激動期の暮らし、後世に」 「元逗子に市立博物館をつくる会」が冊子刊行
2005年まで活動していた市民団体「逗子に市立博物館をつくる会」の元会員らがこのほど、冊子「激動期の日本 逗子を語る」を刊行した。
郷土史家で、同会の会長の黒田康子さんが「戦前から戦後にかけての逗子市の様子を記録に残そう」と有志3人とともに8年の歳月をかけ1冊にまとめあげた。
同会では04年から同市の8つの地区で、地域のお年寄りに聞き取り調査を実施。当時の様子を記憶する人の体験談や見聞きしたことを書き留め、地域ごとにまとめた。
巻頭では聞き取りをもとに作成した1926年から64年までの年表を掲載。本編では8つの地域ごとにエピソードを紹介している。
逗子の章では、田越川で蜆や川えびを取った思い出や逗子駅前に設置された街頭テレビでの賑わいなど当時の暮らしを伝えているほか、戦時中の学童疎開や学徒動員で駆り出された小学生や女学生の仕事などを記述。池子の章では池子弾薬庫の中にあった防空壕やトンネルを作った朝鮮人労働者の働きぶりなどが描かれ、戦前、戦中、戦後の逗子の街や人の生活を浮き彫りにしている。
元同会員で取材、編集を手掛けた小池成子さんは「平和都市を掲げる逗子も戦争を生き抜いた人たちがいてこそ今の姿がある。激動期を乗り越えた人々の生き様を知ってほしい」と話している。
A4版92頁。部数は2千部。1冊500円。同市内池田通りの「椿書店」などで販売している。問合せは小池さん【電話】046・871・1947まで。
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