亀岡八幡宮境内で15日、「K(こつぼ)-1フードフェスタ」が行われた。小坪漁港で採れる「アカモク」という海草を市の新たな名物にしようと市商工会のプロジェクト委員会が企画。会場には15の”アカモクメニュー”が登場し、300人を超す人が詰め掛けた。関係者らは「今年は試食だけだが、来年には商品化したい」と意気込んでいる。
「アカモク」で新グルメ
アカモクはワカメや昆布と同じく茶褐色の海草。日本各地の沿岸で見られる。県内では馴染みが薄いが、メカブのような粘りとシャキシャキした食感が特長で、東北などの一部では郷土色として親しまれているという。旬は2月から4月。生命力が強く、成長すると5m近くにもなり、海中を生い茂る。商品価値がほとんどないばかりか、漁船のスクリューに絡みついて漁の支障になってしまうことから漁師の間では「邪魔モク」「ナガモク」などと呼ばれ厄介者扱いされていた。
一方でミネラル分を豊富に含むアカモク。特有のヌメリ成分に含まれるフコイダンには抗がん作用もあるとされ、天然の健康食品として近年注目が高まっている。三浦半島では横須賀市や三浦市ですでに商品開発に向けた動きが進んでおり、乾物にしたものや、しらすや金目鯛と合わせたメニューなどが人気だ。
今回のフードフェスでは逗子市内の飲食店などから15事業者が参加。しらすとオクラと合わせた丼にアカモクを練りこんだはんぺん、豆腐やクッキーなど個性豊かなメニューが並んだ。
イタリア料理店店主の山崎直彦さんはトマトと魚介のスープを出品。アカモクの粘り気をオイルの代わりに使用した。「くせが少なくてヘルシー。食材としては使いやすい」と話した。
境内は開場前から長蛇の列ができる盛況ぶりで、試食券は昼前には各100食用意した商品がほぼ売り切れた。丼を試した50代の女性は「食感が良くて食べやすい。もずくみたいでおいしい」と話した。同フェスを企画したプロジェクト委員会の菊池尚委員長は「多くの人に足を運んでもらえ手ごたえを感じている。今年は試食だったが、来年は現実的に商品化に取り組みたい」と意気込んだ。
逗子・葉山版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|